「アビスパ福岡サポーターとの意見交換会第1回」記録

 

主催:アビスパ福岡株式会社

日時:平成18年9月27日(水) 19:00〜21:00

場所:博多の森球技場1階第2会議室

目的:オフィシャルより

「ご要望のあったファン・サポーターとアビスパ福岡との「意見交換会」を開催します。
クラブ・ファン・サポーターが一体となって協力し合える関係づくりのための協議を行うものです。」

アビスパ福岡株式会社出席者:

代表取締役専務 池下 雄規様

運営本部本部長 町田 勝彦様

運営本部副本部長兼チーム統括グループ グループ長 長谷川 治久様

運営本部副本部長(事業担当) 山田 浩一様

広報宣伝運営グループ 井上様

 

進行担当:ホームタウン推進グループまちづくり推進担当 伊勢川幸満様

(マスコミが室内に居る状態で)※以下役職は略しています。

池下氏:   今日はこうゆう形での意見交換会開催ですが、意義のある会にしたいと思っています。

16日の横浜Fマリノス戦に負けた後の要望も踏まえ又、これまでの要望・メールも頂いていますし、

今後のアビスパ福岡という観点から有意義な会にしたいと思っています。社長が出席していない・マ

スコミの出席が無いとかも承知しています。代表取締役の私が、意見を社長他に周知徹底します。マ

スコミについても今後は検討していきますが、今回はこうゆう形で開催します。みなさんの意見を真

摯に受け止め是非マイナスでなくプラスへ展開し、こうゆう時だからこそクラブとサポーターが一つに

なり危機を乗り越えたいと思っています。私としては、継続的かつオープンなカンファレンス開催を行

っていきたいと思っています。是非今日は忌憚ない意見を出して頂きたいと思います。誠意を持って

4人で対応させて頂きます。

(マスコミ退室)

 

伊勢川氏:今日の目的はサポーターとの協力関係を作る為のものです。建設的な意見をお願いします。

この会への参加申込みは178名で、質問は60名の方から約70項目あり、大まかには13項目とな

ります。ビジョン、チームカラー、スタジアム・・・・(他も早口で読み上げられました)

お願いですが、暴言、失笑などは禁止しとし場合によっては退席して頂きます。

時間は8時50分までを予定しています。

今回の開催にあたり個人情報保護の点についてお詫び致します。頂きました個人情報はこの会以外

に使用する事はございません。改めてお詫び致します。

 

長谷川氏:2006年シーズン入りのビジョンは、5年後の2010年に優勝争いが出来るチームを作る事。

その為に2006年は、出来ればJ1残留、いえJ1残留でいわゆるCクラス、2007年がBクラス、200

8年がAクラスで優勝争いが出来るクラブという考えをベースにしています。

商品はチーム・選手です。選手にはそれを植え付けています。我々は商品価値を上げる事が必要で

す。2006年のスローガンである「climb to the top闘う集団 競い合うチームづくり」は私が考えまし

た。同じポジションを2〜3人で競い合わせ戦力のアップを図っています。闘うためには16人+4名

の20名が必要で、コンパクトでスピーディーなサッカーを目指してユースの育成も、サテも専従監督

を置き、この3年間で誰がやってもアビスパサッカーで出来る様にしてきました。

ジュニアユース、サテ、トップの各カテゴリーの指導者の重複もさせてもいます。商品を磨くも殺すも

クラブです。

2006年スタートし24節が終わりました。セレッソ戦で1−0で勝ったのは選手の自信になっていま

す。1節〜12節まで松田が指揮をとった間、1勝5分6負けと引き分けが多く、データより「勝てなか

った・勝ちきれなかった・負けなかった」のか検討しました。松田解任はクラブの総意です。

バロン、飯尾、佐伯を補強したんですが、飯尾、バロンは得点力向上として補強しました。飯尾は3点

取っています。バロンはターゲットとして補強しましたが個人の能力もですが戦術として生かしきれて

いなません。川勝で1勝6負5分だけども得失点は増えていますが、失点ゼロの試合が4試合で1勝3

分けです。非公開練習はファンやメディアに申し訳ありませんが、選手間の中でも高い要求での話し

合いをし喧嘩にもなっていて今まとまりつつあります。

 

サポーターA:意見交換会を開催頂きありがとうございます。

現在、自動降格圏です。トップクラスの守備力だったものが、川勝監督になって破綻しています。結

果を直ぐに出す為に監督を代えたハズなのに意味がないのではないでしょうか?いきなり後釜なしで

解任し川勝氏を選んだ説明をお願いします。

長谷川氏:個人のスキルを上げてくれる人という事で川勝さんを選びました。クラブの一致した考えで、まだ結

果に結びついていませんが、良かれと思ってしか考えてなく悪くなって欲しいとかの仕事をしていませ

ん!良くなろうとしてやったことです。

川勝の個人を伸ばす「サポーターが一人でも居れば死ぬ気でやれ!」というもので、松田の元では

選手が生ぬるくなり打開したかったという事です。補強が出来なかった以上、松田は個人のスキルア

ップを行うしかなかったがうまくいかなかった。報道されなかっただけで解任時にはすでに後任人事

に動いていて全くゼロで解任はしません。人、物、施設、環境も良くなるという確信を持っています。

町田氏:   胃が痛む成績で、皆さんに辛い思いをさせて申し訳なく思っています。

清水、パチャメ、菊川と毎年変わり、J2に落ちた後にチームがガタガタになり、一生懸命やっても

結果が出ない時期がありました。J2の中でも上位の予算であったのもありますが、松田さんが3年

かけて作りあげた事は評価しています。ただ12節終わってこのままではまたJ2というの考えました。

監督の交代は難しかったです。監督は本来、新しいクラブでキャンプインし作って行かないと行けま

せんが、とにかく今は何とかJ1に残りたいと願っています。しかし今のままでは非常に危険な状態と

思っています。1998年は30億の借金っとなり選手の給料も下がってしまいました。短期でバタバタ

やっても難しいと判っています。今の監督問題の答えになってないかもしれませんが・・・。

 

サポーターB:数字が悪いから解任したという事でしたが、どう分析されたのでしょうか?

長谷川氏:松田の時、平均シュート数10本、非シュート9本、得点0.83、失点1.33。いずれも上から2番目

下から2番目という成績で、松田も得点力が必要と言っていたが、林を再生し、補強は薮田が神戸を

解雇になっていたのもあり、布部、久藤は必要不可欠とし補強した。何故、点が取れないかは、5〜6

人が怪我をしたのもあります。人は必要と判っています。しかし今居る人間のスキルアップを伸ばし

若い人間でやれる、ということだったが対応策は出来なかったということです。

サポーターB:(分析した表を提示し)数字の要因ですが、福岡の平均失点は1点以下、京都は失点が多く、セ

レッソは非シュートは少ないが2本に1本決められている。得点は明らかに点が取れるFWが不足し

ていると判ります。大分のシャムスカと比較してもこの数字では松田監督がシャムスカより良いとい

うことです。

長谷川氏:サッカーは生き物です。データがすべてじゃありません。クラブの総意で松田は解任しました。

 

サポーターB:低迷の原因は監督の采配ではなく決定力のあるFWが獲得できなかった補強の失敗にありま

す。これ以上仕事を続けてほしくありません。辞めなければならなかったのは長谷川さんじゃないで

すか?長谷川さん辞めて下さい。

町田氏:   データありがとうございます。数値は戦い方によるもので、ある部分は正であるかもしれませんが、

クラブはその他の事も考えています。

池下氏:   データの分析は確かにそうだったでしょう。その考えは貴重な意見と思います。松田監督はクラブ一

致の解任です。昨日、朝日新聞で数字分析し結果が出ていないと出てましたが、今は最終ステージ

に向けJ1残留です。数字が出ていないから即代えるということは考えていません。残り10試合クラブ

と一緒に残留を目指します。そのあと真摯に受け止めます。12月2日の甲府戦へ向けてとにかく10

試合です。お願いです。この大切な機会が糾弾とかにならないように大切な機会ですからプラスな機

会となる様にお願いします。

 

伊勢川氏:責任以外で何かありますか?

 

サポーターC:この機会を楽しみにしていました。「サポーター、クラブ、選手が一体になって」は判ります。

監督が代わる時に何を求めていたのでしょうか?他の候補が居る中で川勝監督にしたのは?

戦術は元に戻りましたが、これから何を求めているのでしょうか?

 

長谷川氏:個人のスキルアップです。補強するのが簡単ですが、個人スキルのベースアップです。読売のユ

ース監督からトップの監督に就き一流を育てた。川勝は短時間で物を起こすと考えた。一番は闘う気

持ち。「プロとしてやるのが商売」という意識改革。より多い人数を攻撃にかけるということ。Wボラン

チもDFの組織をやってくれましたがFWも守備にかかっていたというのが分析結果。戦術は戻ったと

言われたが今の川勝の守備的にというのとは別物です。

 

サポーターD:この場を設けて欲しいという願いは、皆納得していないからでだからこうして集まったんですよ!

少しずつだけども、選手を育て福岡から九州へ、バタバタせずにゆっくり行こうというビジョンがあった

しそれを信じて待ってきた。一般社会のメーカーも消費者のニーズを聞いているのに、選手が商品な

らばサポーターは消費者です。その消費者のニーズを聞くのが筋じゃないですか!サポーターの意

見を汲み取らない会社の基本的な所が間違っています! 監督交代についても、ファンが集まり話し

合いをし、松田監督で行こうと決まりそれで降格したとしても納得すると思います。

会社本意でなくサポーターの声を聞きたいと池本専務も言われた様に消費者のニーズを汲み取るの

が会社づくりじゃないですか!市民球団づくりってそうじゃないんですか?今回の件はサポーター無

視のクラブ体制に問題があって、何も相談されずに不透明に進んでいくのが不満という事です!

 

池下氏:(しばらく沈黙して)ご指摘の通りです。町ちづくりの観点からしても、アビスパはプロサッカー球団であ

り高い理念で豊かな町・地域に密着した町づくりを目指しています。時間がかかろうとも一歩一歩進

めて行きたいと思っています。クラブが開放されていないという意見、これまでの反省の気持ちで真

摯に受け止めています。どういう形が良いのかまだ判りませんが、こういう機会を設ける方向で考え

て行きます。

 

サポーターE:長谷川さんへの質問です。シーズン当初補強が出来なかったのは何故ですか?

伊勢川氏:クラブ事情ですから。

町田氏:   クラブ事情としては、今年目標としたお金が集まらなかったという事です。11月頃から選手の編成

に入りますが、1月の決算時点で赤字が見えていました。一つの要因は予算が無かったという事で

す。

サポーターE:でも、補強についてはシーズン前に明言されていました。ファンは待っていたんですよ!

町田氏:   取りに行ったが予算上出来なかったという事です。

サポーターE:中断期間中に使った資金をシーズン前の補強に回せなかったんですか?

町田氏:   中断期の移籍の予算は別にかき集めたのでシーズン前にあった予算とは別の話です。中断期の選

手獲得にかかる費用は実際かなり少なくてすみますが、松田監督が望んだFWでは無かったという事

です。気に入った選手でなかったら使いませんからね。監督とのコミュニケーションで誰を補強するか

決めているのです。

サポーターF:球団の姿勢を聞きたいのですが。政治もそうですが、マニフェストの提示をして下さい。建設的な

意見としてとか定期的にやりたいじゃ駄目なんですよ。2010年に優勝争いをするやこれだけの意

見を聞く事だけでなく意見交換会はどれくらいの周期で行う。育成はこう、福岡市民に浸透するチ

ーム作りはこうとか、マニフェストを作成しサポーターに判る様に提示することを検討して頂きたい

です。

 

池下氏:   球団からのメッセージですね。クラブがどういう町づくりをしたいのか、実は作ったけど出すタイミング

を逸してしまいまいした。イヤーブックに一応はありますが・・・。明確なマニフェストは必要と思います。

来年は是非出す方向で検討します。定期的には申し難いがオープンサロン、特に議題が無くても、こ

れまでのメールや意見について話せる用な場所など検討します。地域密着についても、ソフトバンク

に比べたら知られていないですし、旗いっぱい運動もやってますが「地域貢献こそアビスパがやらな

いといけない」とグリーンバードからも言われています。木曜7:30から天神地区の清掃に参加してい

ます。輪を広げて行きたいと思っています。連合福岡の清掃へも参加し香椎浜、香椎駅の清掃などや

っています。自治会へも定期手に参加し地域の一員となったことをアピールしています。香椎浜校区

10月21日の戦に応援バスを出すというまでになっています。町づくりの活動はいろんな・・・。

サポーターF:(説明を遮り)メッセージではなく、いつ、どこで、誰が、どうやってというものがマニフェストです。

きちんとやって下さい。

 

サポーターG:ボランティアも傾きかけていますが今日聞いて益々やらないと行けないと思っています。会社だ

けでやらないで皆に声をかけて下さい。良いことをしているのであれば公表して下さい。

 

サポーターH:ゴール裏の発言で、人に動いてもらうのではく自分が行動を起こす事が大事と聞きそう思ってい

ます。自分が関わること、自分がしたい事、やろうとしている事などあったら聞きたいのですが?

 

サポーターI:今日これだけの人達が集まったのは、みんな人の為に働いているということですよね。

池下専務の旗いっぱい運動など努力も評価していますがやっている事が非常にわかりにくいです。

今まで何も説明が無かったからです。

監督交代の最終決定は社長ですよね?社長が出てきて話す事が一番です。現在の社長は今までの

社長の中で一番表に出てきてないですよね?ビラ配りも出て来られないし。一緒に汗を流して正々

堂々と出てきて話してくれた方がスッキリするんじゃですか? 池下専務の「誠意を持って対応する」

は社長が出てきてからじゃないですか?次回は是非社長に出席頂きたいです。

池下氏:   ご指摘は必ず伝えます。皆さんが納得されてないことは充分に理解していますが、社長から全権委

任されていますので貴重な意見として責任を持って答えます。ビラ配りに関してですが、現社長は7月

就任ですので先日が1回目でしたが、社長の日程が合いませんでした。

 

サポーターJ:意見交換会を開催頂きありがとうございます。今、危惧しているのは前回J2に落ちた時と同じ

状況にあるという事です。行き当たりばったりの気がしています。このまま目先ばかりの対応だと九

州出身のチームを地元を意識し若手を育成していくというクラブのコンセプトを崩してもJ1残留です

か?

池下氏:   確かに現状の数値ではそう映るかもしれませんが、地元を意識しそういう方向で進んでいます。

大きな流れは変えていません。

サポーターJ:目先ばかり見て、僅かなブレが出ていてそのブレが崩れている原因ではないのでしょうか?

              川勝監督は自分が連れてきた選手ばかり起用している感じですが?

長谷川氏:選手起用はクラブコンセプトです。久保、本山、遠藤に帰ってきて欲しい。これが僕の夢ですし、ビル

バオ化を明言しているのは僕です。補強はそれを全て無視しているものではありません。九州出身

でチーム作りすることは断言できます。

町田氏:   2001年の降格時に似ていますか? ピッコリの時が前半12位で補強が必要ということで補強しまし

たが、翌年大きな赤字になってしまいました。もう繰り返したくないのです。長期的なビジョンを持って

いないと生きていけません。地域が支持しないと残れるはずがありません。98年迄お金を突っ込ん

できて99年クラブの方針を固めました。13億の中でどうしたら出来るのか。2000年浦和は得失

差1で落ちたと思います。フェルナンドの退場だったですかね?それを見てクラブの底力を上げて行

かないといけないと思いましたし長谷川氏のコンセプトは達成できません。30億を消す為に債権者全

員を回って放棄してもらいました。投資したお金を放棄してもらったんですよ。場当たり的な補強はあ

ってはならないし、短期的なものではなくじっくりと「チームの底力」を上げていきたいと思っています。

中期計画が夢物語で終わらないように実現性が高いことをしていきます。社長も勉強中です。選手に

は学校にもどんどん行け!と言っています。今後はただ勝つために関東からとっても駄目です。以前

のような無理な選手獲得による赤字経営はもうしません。

サポーターJ:査定が始まる前にチームコンセプトを継続できる様一刻も早く統括部長を代えて欲しい。

 

サポーターK:2008年Aクラスと言われましたが、池下専務はその時クラブに居るんですか?何年か先にこう

いう会が開催されてもココにいる人はやっぱり来ると思います。平山相太の時、社長の「お金がない」

発言も「お金はなくても何とかしたい」と獲得の姿勢を見せるべきじゃなかったんでしょうか?2年で代

えられる方の言葉は信じられません。愛着があるか疑問です。トップには、アビスパに骨を埋める覚

悟で熱意がある人がなって欲しい。

池下氏:   昨年就任の時、2〜3年で帰るという市役所からの出向に対するデメリットはあるがそのデメリットを

メリットに変える仕事をしたいと挨拶しました。その努力はしたいと思っています。2008年居るかの

質問には、市の人事で来ているから明確に答えられません。短期間だから一生懸命にしていないと

の意見は心外です。限られた時間だからこそとの思いから懸命にやってきた一年半を否定された気

持ちで寂しいです。長く残れるのが理想ですしその方向でと努力しています。

平山相太のオファーはしました。アポも出しました。出来ることはしたんですが、報道ではあのように

なってしまったという事です。

クラブに対しサポーターが夢を持ってもらう為に、私は一生懸命やりたいし信じてもらいたいです。

 

サポーターL:大博通りのフラッグは嬉しいし旗いっぱい運動だとかも聞いてますが、もっとアピールして欲しい

です。ポジティブな意見交換を定期的に行ない、11年の壁を取り除く努力はして欲しいです。出来れ

ば年に3回、シーズン前、シーズン中、シーズン終了後に100人でなく大分など400人ですからもっ

と参加人数を増やして欲しいです。

 

池下氏:   是非やりたいです。人数も大分とかを参考に検討したいです。やり方は預からして下さい。

 

サポーターI:折角みんな集まっているのだから何か持って帰りたいです。最後に皆を元気付けるために力強い

言葉でしめて下さい。

 

池本氏:   貴重な機会をありがとうございました。この会を負の要素とは思っていませんし、この機会を是非プラ

スになるようにしたいと思います。皆でJ1残留する為に、クラブ、サポーターの気持ちが一つになる

兆しが出来たと思っています。これからも叱咤激励と熱い応援をお願いします。

 

 

※新聞発表では、出席者88名です。

※尚、意見交換会当日には録音機器など持ち込んでおりませんので、文言が多少違っている事をご

了解下さい。

 

平成18年9月28日作成

文責:宮崎