「2007 アビスパ福岡とサポーターの交流会」議事録

 

日時:2007年3月1日19時〜21時25分

会場:博多の森1階第二会議室

参加:アビスパ福岡 都筑社長、池下専務、山田社長付き担当、小林管理強化部長、井上広報企画部長

              下田ホームタウン推進部長、山口事業部長、大隈グッズ担当、八坂運営担当(司会)

       サポーター・ファン有志100名(先着順応募、実際の参加は約70名程度)

       取材/一部マスコミ記者

 

1.司会    出席者の紹介

 

2.都筑社長  本日は、平日のしかも夜間に多数ご出席頂きましてありがとうございました。

            このような「意見交流会」は、サポーターやファンの皆様から要望があったから開催

実行するというのではなく、クラブが今やってることの説明をするためにも必要と考

えている。

社長になって10ヶ月が経過したが、昨年のシーズン途中に赴任した以降、これまで

数多くの方にご意見やアドバイスをもらってきた。ありがとうございます。

 

■アビスパ福岡を長期視点で運営を行う

     例え(クラブ内の)人がかわっても、これまでの歴史や目標を見据えた運営を行うこ

とが大事である。

「人が変わる中でも(いつも)同じ目標に向かっている」ということが大事だと思い

ます。

社長として今年は以下の「三本の矢」を大切にしていきたい。

1.トップチームの強化

2.育成部門の取組み強化

3.ホームタウン活動の充実

 

     経営の安定

二番目は、とにかくクラブの経営が安定しないといけない。

現状は安定するところまでいっていないので、「夢の実現」の為に経営基盤の安定を

図っていきたい。

 

下田部長   *映像(DVD?)を用意していたが、持参のPCが不調の為映像での説明は無し。

     2006年のホームタウン活動

昨年は、835回の指導講習会を実施した。合計18クラス、24,841人(累計

50,350人)

4つのサッカースクールで740回のサッカースクールを実施した。

香椎:285名、志摩185名、ホークスタウン:220名、筑紫野:50名。

またアビースクールは市内86チームで年間150回実施した。

対象は子供や女性でファミリーへ指導している。

小学校の体育教室は40校に参加しサッカー自体よりも身体を動かす楽しさを伝え

た。市外では39回、延べ3,438人が参加して委託サッカースクールを実施し

た。

 

小林部長  ■今季キャンプで取り組んだこと

1.3人目の動き

(宮崎キャンプTRM東京ヴェルディ戦の映像を流しながら、

後半44分、鈴木惇の勝利を決めるゴールに至るまでのチームの連動を紹介。)

リトバルスキー監督は、3人目の動きをしつこくチームに植え付けようとしてい

た。

2.ファーストディファンスの大切さ

サッカーはボールを失ったあとの動きが大事。とくにファーストディフェンスは

おろそかにできない。

3.川島の逆サイドへのフィード

川島から左ウィングの久永へのフィードが良かった。こういう動きで大きなチャン

スを作り出すことができる。

4.アレックスは前で

リティの選手を見る目は鋭い。アレックスを今シーズン前で使おうという決断は

チームを変える決断となろう。

5.バランスボールを使ったトレーニング

バランスボールやチューブを使ったトレーニングは内恬筋の強化につながるトレー

ニングで今シーズンが始まる前に取り組んだ練習の一つ。

6.ヘディングのトレーニング

道具を使ったヘディングトレーニング

                      7.個人トレーニングとして

リハリビ中の北斗にはピッチを見て視野を広げる様に指導。

                      8.ロングスロー(柴村、チェッコリ)点を取る為の戦術とした。

           

 ■指導者育成のトレーニングとスカウティング

            (ユース指導者の研修の映像を見ながら)

             ナショナルトレセンコーチによるユース世代の指導者育成講習によって選手を着実に

「育て」ていく。この点では「九州のリーダーは福岡である」となるように努力したい。

チームには、育てる側面とスカウティングの重要な役割があるが、自分としてはこれま

で不足していた若い選手たちや子供たちを育てることに重きをおいていきたい。

この指導者の指導を800名の子供達に伝え、良い選手を3年かけてトップチームに送り

出す事をしたい。

またスカウティングについては、近年は中村北斗を除くと、九州の“一番手”の選手が

入団することがなかった。なんとか一番手の選手が入るようにしていきたい。

 

■リトバルスキー監督の戦術

      「ボールを大事に回す」その反面リスクを背負う事になる。蹴った方がリスクが少ない様に

       見えるが、逆にミスかもしれない。

       個人では無く、グループで回し点を取る。グループで奪うサッカー。グランド内で選手が

判断するサッカーをするとサッカーが楽しくなる。

                       これからの失点はDFラインを高く取ったが為に裏を取られる事でのもので、この戦術で

強くなって行く為の失点である事も理解頂きたい。

 

<質疑>

 

県南サポA 県南の活動はどうなっているのか?

井上氏 サッカー教室などで一緒に活動することはあるが・・  

山口氏 都市圏でさえ十分にやっていない。昨年は県サッカー協会の協力を得たりしてバス12台

          の観戦ツアーを組んだ。

 

 

サポB   アビーゴ、アビークラブ、またシーズンチケットの販売状況はどうなっているのか?

        山口氏 シーズンシートは、昨年が1,388席。今季は今のところ1,000をようやく越えた

            ところ。目標は、2,000席です。

            ファンクラブは、昨年が7,048人。今季は4,000を越えたところ。昨年同時期と

            比較すると約80%の進捗率。

            アビークラブは、昨年が1,820人。今季の実績は1,023人。

 

 

サポC   観客を集めるための活動は?

        山口氏 株主やオーナーのご紹介が中心です。皆さんに報告できるほどはやっていない。

        大隈氏 大学(生協)にチケットを置けるか交渉中。インパクトのあるポスターやメディアの情報

            が重要。

        山口氏 リティの顔を出すことを多くやっている。取材も断らないといけないほど申し込みが来て

いる。現在NHKでドキュメントものを製作している。これは近日放送予定。

 

 

県東サポD 北九州での活動が少ないように思う。また強化指定選手について聞きたい。

        池下氏 福岡市では活動は頻繁にやっているが、他の地区はなかなかできていない。また県との

            繋がりをうまくできないか考えている。

            (以下クラブの重要な地域戦略の話で、隣県の他のチームを意識した話なので省略します。)

        小林氏 1999年に出来た精度で以前に自分がいる頃、大久保嘉人を指定強化選手にした。

それ以降はやっていない。強化指定選手を抱えると現在居る選手以上に使わないといけ

ないという事になるので強化指定は否定しないが、それよりも今いる選手にチャンスを

与えて育てるほうに力を注いでいきたい。

 

 

サポE   今季の日程について、第3、4クールに水曜日のゲームを組んだのは理由があるのか?

            またシーズンシートを絡め地方開催の件を聞きたい。

        八坂氏 日程はJ側との協議でやっている。9月の日程は博多の森球技場の夏芝から冬芝への以降

時期には芝保護に務めたい。

        山口氏 シーズンシートは2試合が対象外とした。しかし昨年に比べると22試合で30%のディ

スカウントとなっている。地方開催1試合は、SSやアビスパシートのシーズンシートの

対応が非常に困難。もし2試合のうち1試合を博多の森で開催した場合、招待券などで

対応したい。

 

 

サポF   交流会の時期が悪い。またクラブとサポーターの情報交換の為にもオフィシャルマガジン

            の発行やマッチデーなどにQAを載せなどするとサポーターに判りやすい回答が出来るの

では?こういったものを利用した意見交換も実行するべき。

            クラブは昨年の混乱の失敗の総括をどのように行い、今季どういう風に生かそうと

しているのか? FWが課題と言われているが補強は大丈夫なのか?

        社長  去年はチームが暗くなったが試合が続行中であった為に・・・・・。(小声)その反省に

たってチーム作りをした。

小林さんに来てもらった。アビスパへの愛があり、九州出身である。

監督を選んでもらった。前監督とも話して若々しいチーム作りでリティを選んだ。

その結果、去年と違った雰囲気で練習が出来ている。(小声なので言葉を繋ぐとこんな

感じです。全般に小声の為聞き取れず。明確な返答は示せないままであったように見受けた)

  

小林氏 Jリーグ全般にフォワードとセンターバックが不足している。これは日本の文化でリスク

があるポジションはやらない。アジア病でシュートが下手。だから今季は、リティの招集に

よって戦い方を変える。いきなり前線にボールを蹴りこむのでなく、ボールを回すサッカー

をする。

DFラインを上げFWは前線から守備をさせコンパクトにする。

FWについては代理人に許可を取りリンコンをテスト期間を設け試した。(2週間の練習

はロペス・ワグナーの力によるもの)

彼は足元が柔らかい。佑昌の様なスピードは求められない。

 

ここで事前の質問で多かったホベルトについて話したい。

実は自分もホベルト出発の日、空港に行った。彼は静かに日本を発ちたいといっていた

が、あれほど彼がサポーターやファンに愛されているとは思わなかった。

            実は、キャンプ開始前の6日間悩みに悩んだ。リティの構想から外れた彼を半年間置い

            て様子を見ることも考えた。しかし、彼のサッカー人生の為に送り出す方を選んだ。

            国内のJ1チーム(ここでは具体名を表記することは避けます)などとも直接自分が交渉

とかもした。この結果は、チームで良い結果をもたらすことで彼に報いたい。

リティは指導者としては日本ではチャレンジャー。私は個人のエゴとかは無い。

(注:昨年の長谷川氏解任騒動を意識した発言か?=筆者注)

リティはチームをじっくり見た上で、リーダー的存在として久藤と布部を選んだ。

本田・六反がU−20合宿に選ばれ、実は城後もU−22代表として協会が強く興味を

持っていると聞いている。若い選手たちを伸ばしていかないといけない。

 

 

サポG   電光掲示板について聞きたい。

        池下氏 1年でなんとか付けようと働きかけながら募金とかもやってきたが、要望していた方が

先日の選挙で落ちた。もちろん現市長もアビスパに深く関心を持ってくださるが。

ビジョンは今あるものをどうするかも含めて再検討しないといけない。

     

            (他にサポーターからの質問などがありましたがここでは省略します。)

 

      

  池下氏 「10年後には日本一のクラブにしたい。」クラブとして芯が通った、チームとしてク

ラブとしてどうありたいか是非公表したい。この時期になった事はお詫びします。

年3回の約束はこの場では答えられませんが、意見交換は今後も開催したい。

       都筑社長 地域(地域に密着した)、子供(スポーツを通してイジメがなくなる様)、健康(JAも

                      同じ考え)。この3つのキーワードを持ちプロ球団として進んで行きます。

            私はクラブ(会社)の改革は3年かかると思っている。3年後を見て欲しい。

本日は大変お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございました。開幕は目の

            前、皆さんの後押しと応援をよろしくお願いいたします。

 

 

 

       *当日は、録音機の持ち込みは禁止されていましたので、当日のメモを再現しながら議事録を作成してみました。

実際に発言した内容との食い違いや表現の差異は大いにあるかと思います。

また当日発言された多くのサポーターの声をそのまま議事録として残すべきとも思いますが、当日ご参加なれ

なかったサポーターの皆様に当日の雰囲気だけでも伝わればと思い、議事に致しました。

内容の差異、間違いまた乱文など全ての責任は筆記した者にあります。

また大変残念なことですが、今回、クラブ側は参加者全員から事前に質問を受け付けたにも関わらずその点の

マトメや返答についてはなんら具体的な返答はありませんでした。

 

その点も含めクラブからの議事録の発表を待ちたいと思います。

 

今回は、ありがたいことに友人の宮崎氏の協力もあってこのような議事録としてまとめることができました。

宮崎氏に心から感謝したいと思います。

                                        (文責・塩屋)