サポーターミーティング 3−3
〜デットマール・クラマー氏を迎えて
[サポーターミーティング]
日時:2007年5月16日(水)19時〜20時
会場:博多の森球技場1階会議室
参加:デットマール・クラマー氏、アビスパ福岡サポーター
司会:中倉一志氏
「クラマーさんを囲んで」その3.
*本来ならサポーターとの懇親会でもあるので、クラマーさんとサポーターとの質疑の時間を予定していた。
しかし、話し始めたクラマーさんは圧倒的な独特の話し方で熱く語り続ける。この世の若い人々を諭すように
これからの人々に、フットボールの神となって言霊を発し続ける。ドギマギ緊張の通訳を叱咤し会議室の空気
をつんざくような高くて強い声でフットボールサポーターに向けて聖なる言葉を吐き続ける。
クラマー氏 さて皆さん。皆さんはチームの発展の為に大きな影響を与える方々です。チームをサポートするのは貴方方の
権利です。
そして他のチームにも他のチームを応援する人々がいることを認めてあげなくてはなりません。
これは殺し合いの戦争ではありません。先週ブンデススリーガのゲームではサポーター同士の争いごとでそ
れに巻き込まれて一人のサポーターが片目を失いました。喧嘩をしたのはバイエルンのサポーターの一部
です。クラブは毅然と対処しなければならない。
クラブは危害を受けた女性を処置しなければならない。クラブは喧嘩をした野蛮な連中をスタジアムから金
輪際締め出しました。
わたしは第二次対戦の戦争に参加しました。色んな戦場に行き、戦争というものがどういうものか知ってい
ます。熟知しています。
わたしは最近中東戦争に加担した首相とやりやいました。手紙を出し戦争のむごさを伝えました。
首相は戦争の理由を経済的な理由で説明していましたが、どんな戦争も、人殺しをさせる戦争を経済的な
理由でやっていいわけではありません。
イラク戦争もすべてが勝者にはなりえません。勝者などありません。全てが敗者なのです。
フットボールにはルールがあります。人が殺されることはありません。そして人間性というものを理解すること。
私には身体のいたるところに傷があります(戦争によって)。2歳下の弟は戦争で亡くなりました。父は両足を
なくしました。母は泣き崩れるばかりでした。
フットボールにおいては人間性と平和的な理解が必要です。(相手のことを思いやるような)人間性を失って
はいけません。
フットボールは楽しめるものです。そして人生には山があり谷があります。私自身は歳をとり動くのがゆっくりに
なりました。生きていくことが段々と大変になってきます。
フットボールで負けたときには泣くことを知った。そしてすべてのゴールに喜ぶことができる。
本当にチームに対して情熱的であること。フットボールを通して喜こびを分かち合うこと。それが生きるとい
うことです。
たとえばクラブがミーティングを企画するときがあります。みんなが全てのことを知ってしまうことは余り良
くありません。クラブもそういうことを知ってもらうことよりも、有名選手たちが皆さんの元へ出向くことの方
が大切です。クラブ対ファン、ファン対クラブは色々と押し合う場面があると思いますが。
さて今回の来日で福岡市長との面会など24日までたくさんの予定が組まれています。しかし私自身はクラブ
のサポーターの皆さんとお会いすることが凄く嬉しかったのです。
私はリトバルスキーが16歳の頃から知っています。その頃からスキル(技巧)のある選手でした。ヨーロッパ、中
でもドイツでは背の高い選手が多く、リティは軽くて低い選手でしたが、彼はスキルによって高くて大きな選
手たちを打ち負かしました。グラウンドでキープしプレーできれば高さは関係ないのです。
私は昔サッカーの指導のための映画を作りました。映画に全ての技術やチーム戦術を入れ込みました。映画の
中でリエィの相手をしたのは18歳の少年でしたが、リエィはパートナーである相手の選手を打ち負かしていま
した。
私は本当にリトバルスキーのチームが、皆さんのチームがJ1に上がることを祈っています。
*これは当日会場でのメモを纏めたものです。
多少のニュアンスの差異があるかと思いますがご容赦願います。 (文責・塩屋)