アビスパ福岡シンポジウム     2008/12/12

アビスパ福岡株式会社  都築社長・酒井専務・田部GM

コメンテーター        中倉 一志氏 ・ 田中 耕氏(西日本新聞社)

司会              信川 竜太氏

2008総括〜

酒井:  収支状況の報告     

      ※来場者収入が不足   12000人/1GAMEが目標⇒10079人/1GAMEに留まる

田部:  今季のチームの総括について

l         上位チームとの、勝点差・得点差・失点差を詳細に検討中

l         失点が多いことが、今期の課題  ⇒   

失点パターンを検証し、来期に向けディフェンスの組織作りが急務

l         チーム編成  200825人体制で23人を起用    

2009=できる限り現有戦力を維持をはかり、更にプラスαの戦力

補強を行いたい。

l         アウェイゲームでのモチベーションアップを徹底したい

l         育成  ユースのレベルアップを計る

アビスパユースからトップチームへ(鈴木・大山のように)

福岡大学から

プリンスリーグで3位獲得

U-18チームへのスカウティング、中学生レベルからのスカウティング

 

信川:  2008はチーム成績以上にサポーターには不満が残っているのではないか?

 

中倉:  2008シーズンは「無念」の一言

      来るところまで来てしまった・・・というのが、正直な感想

      アビスパが抱える構造的な問題が表面化

 

田中:  福岡の街に「アビスパ」が浸透しているか?  50万人署名の熱気は何処へ?

      もっと市民に「アビスパ」を!

 

酒井:  ポスター  各所に掲示を依頼

      アビーゴメール  現在2500人⇒1万人・2万人へと拡大を計る

               ⇒「街にアビスパ」を努力

 

信川:  2008はなかなか勝てない状況が続いたが?

 

中倉:  成績不振 = クラブの問題

l         一度全てをクリアにして再出発を計るべき

l         「福岡」にとって、12億円の予算が適正であるのか、という検証から

始めなくてはならない

l         現在は、既成の枠組みから抜け出せてはいない

      メディアは「愛」を持って、批判を

      サポーターは、一人一人が、何ができるのかを考え、実行しよう

 

信川:  財務=チーム成績であると思うが?

 

田中:  財務を一番支えているのは一般市民である

      大人から子供まで、全ての人にわかりやすく、クラブの方向性を示す

      クラブが熱を発する⇒みんなで立て直す・・・・必ずできるはずである

      しかしながら・・現在のクラブには「顔」がみえない

 

社長:  現在のアビスパは財界だのみであるのは事実⇒強い点であり、また最大の弱点

         大口スポンサーから小口スポンサー拡充へ

         シーズンシートの販売を強化           ・・・地道な活動を続けたい

      方向性は 福岡市民の「心のふるさと」でありたい

             育成を大切にしていきたい

 

信川:  サテライトリーグへ参加しなかったが、控えの選手のアピールの場がなかったのでは?

 

田部:  2008は25人中23人が実可動〜少人数であるため、J2のゲームへの出場機会は多い

      25人の力の差は無いため、Aチーム・Bチームと分ける必要はない

      また、サテライトリーグは運営が難しいとされている。資金面・日程でも、ゲームの消化が

      困難になっており、Jリーグでも、サテライトリーグについては議論中

 

信川:  現在アビスパにはスカウトがいないが?

 

田部:  スカウトの肩書きのある人間がいないということで、スカウティングをしないということでは無い

l         様々なスカウティングの情報は収集している

l         高校生レベルから、練習に参加させている

l         スカウティングの情報から、九州全域から選手を獲得するつもり

 

信川:  アビスパは九州出身の選手で・・という目標があったと思うが、高校の指導者からの理解は

得られていないのではないか?

 

田中:  人は心で動く・・・アビスパには「思い」が無いのではないか?また「思い」を伝える努力を

していないのではないか?足繁く通い、相手に誠意を感じてもらうことも必要

 

信川:  今年大分はナビスコで優勝したが?

 

中倉:  大分の社長は、ずっと一人の人が社長を務めている。しかし、初めから上手くいった訳では

なく、何年か前までは、とてもチグハグであった。

      大分は、「大分トリニータ」が実質的に自立したことにより、「サガン鳥栖」は責任者を明確に

したことにより、現在の良き状況を作り出している

      アビスパ福岡は財界と市役所が支えがあり成り立っている ⇒ 責任企業が不在

      社長は株主が派遣 ⇒ 組織として、機能不全に陥っている

      一般人と従業員の意識にズレが生じている

      今の考え方を白紙に戻し、今から行動を起こすべき  すぐには状況は変わらないが、今や

らなくては

 

社長:  自身に株主から来ている、という意識は無い

      どうすれば、アビスパを再生させることができるのか、日々考え、努力をしている

      企業・行政だけではなく、市民の支えがないと、アビスパは成り立たない

      市民の支えが必要  例として「がんのすツアー」

 

信川:  サポーター以外の人を振り向かせる、魅力のあるクラブとならなければ・・と思うが?

 

酒井:  クラブの資金力、クラブの財政力をまず安定化させなければならない

      資金力強化へのプログラムは不在であった訳ではなく、胸スポンサーの撤退により、これら

のビジネスプランが崩壊してしまった。現在は、その再構築に向けて、奮闘中である

      従来のスポンサー・新規のスポンサー・入場料収入が大きな柱である。

      入場料収入は、自ずから限界があり、ホームゲーム全てを満席にしたとしても、それのみで、

運営費用を賄えるものではない。

      しかし、入場者数が増え、入場料収入が増えることで、良きスポンサー、より多くのスポン

サー獲得するという、良き方向へのスパイラルに入ることができると考える

 ⇒ 人が集まれば、金が集まる

      現在は悪しきスパイラルにあり、早く方向を変え、良きスパイラルとしたい

 

信川:  2009シーズンは51試合・・・良きスパイラルに入れるチーム力はあるか?

 

田部:  目の前の試合には必ず勝つ、という強い気持ちで選手は臨んでいる

      既存のチーム力を維持しながら、必要なポイントで補強を行うつもり

 

信川:  アビスパはチームとしてどうなのか?という疑問を持っている選手もいるようだが?

 

田中:  「顔」が見えないから、選手・サポーター・市民は不安を持つ

      「顔」とは、方向性とか夢である

      フロントが「夢」をはっきり示すことで、一般市民まで参加させなくてはならない

 

田部:  アビスパのビジョンを作る動きはある。現在、いろんな方々と協議・作成中なので、今ここで

発表することはできないが、早い時期・・・来シーズン開幕前には公表し、理解を得たい

 

信川:  2008前半戦と後半戦の違いはどこにあるのか?

 

中倉:  監督交代のタイミングを間違ってしまった

 

      監督交代には、2つの選択肢があった・・・監督を守るのか、解任するのか

      どちらの選択をするのにしても、どちらかに徹底しなければならなかったと考える

      中途半端であったことが、今年の混乱を招いた大きな要因

      監督を守る、ということは、その監督が仕事ができるように、フロントが全力でサポートする

という意味

 

田部:  篠田監督とは2009シーズンを戦うための議論する時間は充分にあった

      フロントは彼を全力でサポートしたい

 

信川:  アビスパの良い部分=ホームタウン活動等が、なかなか表に出てきていないように思える

が?

      また、2009は子供の入場料が上がるが?

 

田中:  アビスパ福岡が一枚岩になっていないと感じる

      子供の夢を守るのは、大人の責任である

 

中倉:  年齢・性別を問わず、全ての人が触れ合える、それがクラブのあるべき姿

      ホームタウン活動はアビスパの誇り。もっと大切にしなければならない

 

社長:  子供料金ついては、他クラブとの比較、財務上やむなしの部分から、値上げした・・・ご理解

をいただきたい

      ホームタウン活動は、これからも拡充していくつもり

 

営業担当者:  子供料金が上がる理由

l         3年前に大幅値下げ ⇒ 結果として子供の入場者数は増えず

l         料金が安すぎるという批判あり ⇒ プロの試合観戦として料金を適正に

l         子供料金を一般常識からみて適正に ⇒ 大人料金の半額

           ファンクラブに入会し、年間パスを購入すると格安になる ぜひ理解いただき、ご利

用してほしい

 

信川:  アビスパ福岡が、福岡に存在する意義は何か?

 

社長:  アビスパ福岡は

l         地域の誇り、市民の活動の源であるべき

l         子供たちに夢と感動を伝える

      この使命感をもち、日々努力していきたい

 

質疑応答:中期的・短期的目標を、具体的に、きちんとした数字のうえで示して欲しい

       また、その達成度をみなに見える形にし、責任を明確にして欲しい

 

酒井:  GMの話にあったように、アビスパ福岡のビジョンを現在、協議・作成中である。そのビジョ

ンに基づき、

具体的な数値目標を掲げたい。また、目標として掲げる以上、オープンにするのは、当然

の責務であると

考える。しかし、現在の段階では、まだ公表できず、2009開幕前には、必ず公表する

 

 

*その他の質疑については省略しました。

以上