SL瑞浪シリーズ 第1戦 レポート

2009.1.25 瑞浪レイクウェイ

気温−5〜6度、湿度50%〜38

 

 125日に行われたSL瑞浪シリーズ第1戦のレポートを報告します。

 

 本当にすごい冷え込んでいる時期で、瑞浪では朝だと−5℃前後でした。路面温度もとても低く、夏に出るタイムより1秒遅かったです。

 

 前日の練習では、路面温度が低い時のデータを取っていきました。午前中は周りのドライバーよりも速く、調子が良かったのですが、午後から急にタイムが落ちてきました。最初は原因が何なのか分かりませんでした。カートのセッティングは外れたわけではないのですが、走るごとに遅くなっていきました。周りのドライバーの中で一番速かった人よりも、悪い時はコンマ8秒も遅い時がありました。一緒に走ってみると、コーナー立ち上がりの加速が鈍く、ストレートでスリップに入っていてもついていけませんでした。その後、キャブセットをいろいろ試し、ノイズボックスを変えたり、スプロケットを変えたりなどいろんな事をしましたが、全く変わりませんでした。もう残るはエンジンしかありませんでした。前日の練習で使っていたのは、レース用にしていたエンジンでした。そのエンジンは練習が終わったあと、ショップに点検してもらうことにしました。

 

決勝当日は、仕方なく練習用と決めてずっと使って来たエンジンで出ることになりました。そのエンジンは、コシ上が13時間くらいで、コシ下は60時間以上使用していて、練習用と割り切って使っていた物です。

 

 公式練習では、エンジンにパワーがあるか、セッティングが良いかを確認しました。エンジンは前日に使っていたエンジンよりはましでしたが、若干加速が鈍く、ストレートはスリップに入れば、何とかついていけるほどでした。コーナーは腕でカバーし、ストレートをスリップでついていき出したタイムは、トップからコンマ4秒遅れの4番手タイムでした。少しきつい感じでしたが、もうこれで行くしかないので、気持ちはこの時切り替えました。

 

 タイムトライアルでは、ダミーグリッドに並べるのが遅れてしまい、後ろの方から単独でアタックしました。全力で攻めた結果7番手でした。運良く奇数列が取れ、シングルグリッドだったので、予選に向けまだまだチャンスがありました。

 

 予選ヒートは、タイヤが冷えていて、皆がペースの上がらないうちのチャンスをしっかり活用し、とにかくベストを尽くそうとしました。スタートして1周目で、4番手に上がりました。トップ3台は少し離れていましたが、ペースが遅かったので追いついていきました。ですが、5番手のドライバーが絡んできました。ストレートが遅いので、楽々1コーナーか2コーナーで行かれてしまいます。そうして中盤あたりになったら、周りのペースが上がって来ました。5番手に行かれ、追いついてきた6番手のドライバーにもいかれて、僕は、6番になりました。何とかついていき、最後まで勝負しようとしたものの、6位ゴールでした。

 

 決勝ヒートは「逆境を乗り越える練習」と、気持ちをもう一度切り替えました。出来るだけ早くトップ争いに絡んで、ゴチャゴチャにかき回し、レースの流れを無理やり自分の方へ向けようと思っていました。

 

ローリング中は出来るだけタイヤを温めてスタートに備えました。スタートではしっかり前についていきました。イン側の列は出遅れ、アウト側が速いスタートを切りました。僕は、1コーナーで3番手に上がり、2コーナーで、トップに仕掛けた2番のドライバーについて行き2位にあがり、さらに5コーナーで1番手に仕掛け、トップに立ちました。その後は、2番手が微妙な突っ込みをタコツボコーナーとS字コーナーで仕掛けてきたので、押さえ込みました。

3周目、2コーナーで2台に行かれ3番に落ちましたが、すぐさま5コーナーで1台抜き返し、タコツボコーナーでさらにもう1台抜き返し、トップに戻りました。次の周に1コーナーで再び1台抜かれ、続けて2コーナーで3番手に並ばれましたが、そのままアウトで粘り、4コーナーでインを取り、5コーナーで押さえ込みました。その間にトップが少し逃げてしまいました。ですが、テクニックは確実に自分の方があるので、トップのペースが上がってくる前に追いつこうと全力で攻めました。

そして、翌周の5コーナーでトップに追いつくことが出来ました。そこで、後ろを見て状況を確認したら、3番手以降がバトルしあって20mほど後方にいました。これを見て、僕はすぐに、「無駄なトップ争いをやめて、せっかく出来た3番手以降との差をキープし、トップとファイナルラップの一騎打ちに持ち込もう」と、判断しました。その後はスリップから出たり、離れたりしたら終わりなので、ぴったりとくっつき続け、ストレートをスリップでついていき、コーナーはテクニックでカバーしていきました。そして、ファイナルラップまでずっと我慢し続けました。

トップのドライバーは速く、2台で後続を引き離していて、計画どおり一騎打ちに持ち込めました。僕は一番抜きやすく、ブロックされてもチャンスが残る、5コーナーで行きました。クロスラインをとられかけたものの、タコツボコーナーはブロックラインで抑えました。バックストレートでイン側に並んできましたが、ギリギリまでブロックして、自分も出来るだけ突っ込んで押さえ込みました。そして守りきって優勝しました。

 

 今回は本当に力強いレースが出来ました。苦境を跳ね返し勝ちました。    進化を実感した一日でした。難しいレースでしたが、状況判断が良く、勝ちました。自分の力を示すことも出来ました。これからも、もっと強く、速くなっていきます。1レース1レースを大事にし、勝っても、負けても、しっかり反省し、全てを力に変えて進化していきます。

 

 応援して下さった皆様、スポンサー様、今回も応援していただき、ありがとうございました。全日本Jrの開幕戦に向け、幸先の良いスタートを切ることが出来ました。これからもベストを尽くして期待に応えられるレースをしていきます。

 

 

KART KOZO RACING

林 周平